保護者の方の勉強室

お子さんの代弁をしてはいけません!(9月号)

親御さんとお子さんとの三者面談をしているときに

少し気になる事があります。

 

それは、お子さんに質問をすると、すかさず親御さんから

その答えが返ってくる場合です。

 

親御さんにしてみれば、お子さんが自分の考えを

うまく伝えられずモタモタしているを見ると、

イライラしてつい代弁してしまうのだと思います。

 

しかし、これはまったくお子さんのためになりません。

お子さんが一生懸命に考え、自らの意見を伝えようと努力しているときに、

親御さんが『この子はこう言いたいのですよ。』

などと先回りして代弁するのは、

お子さんの努力を無にしているようなものです。

 

私がお子さんと二人きりになった時に、

『○○さん、□□好きなんだよね』と聞くと、

『本当は、好きじゃないんだ』とお子さんが言いました。

 

理由を聞くと、

『いつも自分が好きではないと訂正しても、

親がわかってくれないので、もう訂正することが面倒になった。』

と教えてくれました。

(このお子さんは、中1の女の子です。)

 

この様なことが、お子さんと会話している中で、

多く見受けられるのが現実です。

 

そして、これが習慣化すると、

お子さんは自分の意思を他人に伝える行為を

親任せにしてしまい、自らは考えなくなります。

 

また、いちいち親御さんの顔色を気にして、

親の意思に沿うことが大事だと考え、

自らの意思で何も取り組むことができない、

いわゆる消極的な人間になってしまいます。

 

さらに、発言しなくなると、考えようとしない脳構造になり、

物事に何も感じなくなる心を作る原因となります。

 

そうなると日々の観察力・意識・感情の低下などに

連鎖する可能性があります。

 

お子さんの発言を”聞く”・”待つ”

という心構えが、

親御さんには必要なのではないでしょうか。