親御さんとお子さんとの三者面談をしているときに
少し気になる事があります。
それは、お子さんに質問をすると、すかさず親御さんから
その答えが返ってくる場合です。
親御さんにしてみれば、お子さんが自分の考えを
うまく伝えられずモタモタしているを見ると、
イライラしてつい代弁してしまうのだと思います。
しかし、これはまったくお子さんのためになりません。
お子さんが一生懸命に考え、自らの意見を伝えようと努力しているときに、
親御さんが『この子はこう言いたいのですよ。』
などと先回りして代弁するのは、
お子さんの努力を無にしているようなものです。
私がお子さんと二人きりになった時に、
『○○さん、□□好きなんだよね』と聞くと、
『本当は、好きじゃないんだ』とお子さんが言いました。
理由を聞くと、
『いつも自分が好きではないと訂正しても、
親がわかってくれないので、もう訂正することが面倒になった。』
と教えてくれました。
(このお子さんは、中1の女の子です。)
この様なことが、お子さんと会話している中で、
多く見受けられるのが現実です。
そして、これが習慣化すると、
お子さんは自分の意思を他人に伝える行為を
親任せにしてしまい、自らは考えなくなります。
また、いちいち親御さんの顔色を気にして、
親の意思に沿うことが大事だと考え、
自らの意思で何も取り組むことができない、
いわゆる消極的な人間になってしまいます。
さらに、発言しなくなると、考えようとしない脳構造になり、
物事に何も感じなくなる心を作る原因となります。
そうなると日々の観察力・意識・感情の低下などに
連鎖する可能性があります。
お子さんの発言を”聞く”・”待つ”
という心構えが、
親御さんには必要なのではないでしょうか。