高校入試では、
「○○図形について、A点、B点、C点を通るように切断したら、
断面はどのような図形になりますか、またその面積を求めなさい。」
という図形の断面の問題がよく出題されます。
このような問題では、空間認知力に欠けているお子さんのほとんどは、
苦戦します。
このような問題を得意分野にするためにはどうすればいいのでしょうか?
そのためには、一度実際に空間図形を粘土で作成して、
定規で切らせてみると一発で理解できます。
準備と時間が必要なので、
学校で実施する機会が少なくなっていますが、
やってみると予想とは違いきれいな形になったり、
普段なかなか目にする事が出来ない断面が表れたりします。
粘土というと、幼児などが幼稚園等で遊ぶのによく使われています。
しかし、空間図形の学習時に、図形を粘土で作成する事で、
見えてこない図形の側面や裏面、上面、下面を
認識する事ができます。
大人では、今までに似たようなことをやったり、
積み重ねてきた日常生活の体験があるので、
比較的簡単にイメージすることができますが、
一度もやったことのないお子さんに
言葉と平面だけの紙でイメージを伝えるのは非常に難しいものです。
例えば円柱を斜めに切断しても断面はだ円ですが、
お子さんには中々想像がつかない様です。
しかし、粘土であれば、
どんな形でも作る事が出来きて切断する事を見せられます。
また、方眼紙を使って、
立体図形を作らせる作業もさせてみると良いでしょう。
その立体図形には、面が何面あって、線(辺)が何本有って、
交わる点(角)が何個存在して、
この図形が成り立っているのかを実体験として
早めに学習しておくことは大事です。
学年が上がる(中学生になる)につれて手間と面倒さで、
やりたがらなくなるので楽しんでやれる時期に実験しておくと、
図形問題の下地としてとても大きな財産になります。
関数(グラフ)は、計算(公式)と図形(イメージ力)の学力が
備わる事で学力が向上する分野です。
計算(公式)の問題が出来ても、
関数の成績が伸び悩む子がいるのはこれが原因です。
グラフは、イメージ力も必要なのです。
このように空間認知力は、単に図形だけでなくあらゆる事に、
必要不可欠な力です。
お子さんたちの空間認知得力、想像力(イメージ力)を養うには、
お子さん自身に作らせて、手に触れさせる事がとても大切なことです。