保護者の方の勉強室

考えるテンポ(11月号)

問題を解くとき、だれもが「考えるテンポ」をもっています。

カラオケでは、

テンポが悪いと音痴になってしまいます。

勉強の場合では、

頭の動かし方がおかしくなり問題に答えられなくなり、

間違った答えを導きだしたりしてしまいます。

この「考えるテンポ」がとれていない事で、

良い成績に結び付いていないお子さんが多く見受けられます。

 

「考えるテンポ」には、①~⑥までの段階があり、一つの流れとなっています。

 

① 読む・聞く

② 情報収集

③ 収集した情報の分類分け

④ 分類した情報を元に絵や図に表現

⑤ 知っている知識や公式・法則に当てはめる

⑥ 解答を出す

 

お子さんの思考の動かし方は、いろいろと問題点があります。

 

例えば、

①②では、読んだり・聞いたことからの情報収集ができない。

③では、その情報の分類分けができない。

④では、その分類した情報を具体的にイメージができない。

⑤⑥では、具体的なイメージができないため、

公式の知識はあっても代入することができないので、

問題を解くことができない。

 

一見、算数や数学のみの様に感じますが、そうではありません。

国語でも、文章からのイメージが沸かない原因は、

②の情報収集が乏しいことが考えられます。

そのため問題に答えられなくなります。

 

また、社会や理科などの学習中でも、

お子さんの発言で良く耳にするのは、

「書いている意味が解りません」と言う言葉です。

 読んでいるのに問題が問うている意味が理解できないと言う事です。

 

これは、普段の学習や日常生活の行動から、

「考えるテンポ」の要因の一つである情報を収集して

理解する能力の低下による事が原因です。

 

特にプリント学習などで幼児や小学校低学年時から

学習を続けているお子さんに「考えるテンポ」の退化が

多く見受けられます。

 

高学年になればなるほど、改善するのは非常に困難になります。

 

プリント学習等の単純作業ばかりやっていると

お子さんの頭や心の中には、「柔軟性や頭の回転を柔らかくする」など、

大人の理想とする学力成長はありません。

ただ早くプリントを終わらせる事、

今日のノルマを終わらせる事に頭の中はいっぱいになり、

「遅いのは悪」と焦りしか生まれず、

この「考えるテンポ」が、退化してしまうのです。

 

できるだけ早い時期に、

スピードだけを追求する学習方法から、

一問一問を大切にして時間をかけてでも

情報収集を丁寧に行う学習に切り替える事をおすすめします。

 

いまの学習状況や環境をもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか。